大判例

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仙台高等裁判所秋田支部 昭和28年(う)186号 判決

本件食糧管理法違反の事実は(イ)法定の除外事由なく(ロ)業務に関し(ハ)所定の米を(ニ)政府以外のものから買受くることを犯罪の構成要件としているのであるが、原判決の認定した判示第一の(ニ)の(6)の事実は被告人は飴を造る材料として使用する目的で法定の除外事由なく昭和二十七年九月頃から十二月頃迄の間数十回にわたり被告人居宅において政府以外の氏名不詳の者等から粳精米合計十五石四斗を代金一升当り五十円から八十円位迄の価格で買受けたというのである。即ち右認定の事実は犯罪の構成要件たる事実に欠くるところがなく又犯罪の場所も明白であるが、その買受の日時は九月頃から十二月頃迄(昭和二十七年)買受け回数は数十回で一回の買受数量は不明であるが合計が判つており、価格は一升五十円乃至八十円という程度で売渡人は多数人と思われる氏名不詳者というのである。この事実に関する起訴状の記載をみると、買受数量が十五石四斗八升とある外認定事実と同様で原審第三回公判期日において検察官から数量を十五石四斗と訴因変更の申立を為し弁護人の同意を得て許容せられている。

そして原判決は右(6)の事実を包括的に判示している点これと第一の(一)及び(二)の(1)乃至(5)の事実を並べて判示している点及び起訴状も同様である点から考えると、(6)の事実に含まれる数十個の食糧管理法違反の事実が併合罪として起訴され原審また同様個数の併合罪を認定したのではなく、(6)の事実は包括一罪として起訴されたものであり、原判決もまた同様の認定をしたものと認めるのを相当とする。そして被告人は原審公判廷において本件米の買受けについて「少しづつ買う場合には安く買うことができるので女達から一升、二升というように小量宛買いこれを買溜めて自宅においたのを押収された」旨供述した記載や右供述に添う米が押収されているところを考えると被告人は単一の犯意のもとに米を買受けたものであり、その買入先は多数でその氏名も回数も判らないが買入れの始期及び終期、その合計数量一升当りの価格が五十円乃至八十円という程度は判つているので包括一罪と認めるのが相当であり、包括一罪として訴因の明示に欠くるところがないから所論のように不法に公訴を受理したとの非難は当らない。論旨は理由がない。

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